最新のデータに基づく新型コロナウイルス感染症への考え方

皆様、こんにちは。

非常に稀にしか更新されないこのブログですが(すいません…)、新型コロナウイルス感染症第7波について、データを基にまとめてみましたので、書いてみます。

 

1)現在の新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況について

データは、厚生労働省データベースから引用しています。

covid19.mhlw.go.jp

さて、人口ピラミッドと比較してみると、現在の株(オミクロン株 BA.5)では年齢が高いほど罹患率が低い気がします。

実際、デルタ株とオミクロン株ではどのように違うのでしょうか?

 

上の表は2022年7月26日までのものですが、

・オミクロン期は2022年1月以後

・デルタ以前期は2021年12月以前

としてデータをまとめ、比較しています。

デルタ以前は20-30代が最も罹患率が高かったものの、オミクロン株になってから10代以下が最も罹患率が高いことがわかります。恐らく、BA.5となってからこの傾向はより顕著になっている気がします。

要因としては3回ワクチン接種率の差がある(年齢が高いほど接種率が高い)ような印象はありますが、それだけで説明のつくような差でなく、単純に年齢が高いほど罹患しにくいとか、行動が慎重とかいう要因があるかもしれません。

なお、過去、新型インフルエンザが流行したときは、ワクチンが行きわたらない中でなぜか高齢であるほど罹患率が低い状態でした。

 

2)現在の新型コロナウイルス感染症によるリスクについて

新型コロナウイルス感染症による死亡率について調査してみました

(データは2022年7月26日までのものを使用)

デルタ株以前は、かなり死亡率が高く恐ろしいウイルスであることがわかります。

しかし、オミクロン株以後は相当死亡率が低下しています。ワクチンの効果および弱毒化によるものですね。

なお、これをインフルエンザと比較するとどうなのか(2017 9 月~2020 8 のデータ)*引用元 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000906106.pdf

…なんか、オミクロン株と殆ど変わらないような気がしますね。

但し、BA.5においては重症化リスクが上昇している懸念があるので、要注意です。

 

3)ワクチンへの考え方について

上記のデータを基に、オミクロン株主流時代におけるワクチンについて考えてみたいと思います。

現在わかっていること

・オミクロン株では、4回目ワクチンは重症化リスクを40%程度低下させるが感染予防効果は殆どない

・5-11歳対象の研究では、オミクロン株において感染予防効果は31%、入院予防効果は68%である(以下参照)

しかし、現在の主流であるBA.5株では、ワクチン効果は更に減弱していることが予測されます。

 

一方で、副反応については

(データが非常に細かいですが、厚生労働省ワクチン分科会資料→新型コロナワクチンの副反応疑い報告について|厚生労働省を参考としています。)

・12歳以上のワクチン接種後の死亡例は100万例あたり7.4例(0.00074%)*但し因果関係が明らかと認定されたのは約1600例中1例のみ、他審議中…

(なお、政府は「現在までにワクチンとの因果関係が明らかな症例はありません」と一貫して言っていますが、厚労省資料を確認すると因果関係強そうな症例はいくつもあるので、この点で私は政府見解に疑念を抱いています)

・5-11歳のワクチンで「重い副作用」として報告されているのは21例(1236980例中21例→0.00169%)

 

上記のデータや、今までの他データからの個人的な意見ですが、以下の通りです。

・60歳以上:4回目ワクチンはオミクロン株でも死亡率が0.1%を上回る60歳代以上ならメリットがデメリットを大きく上回りそう。副反応が今まで気にならなかった方は打ってもよさそう。

・12歳以上60歳未満:4回目ワクチンは基礎疾患がなければメリットは乏しい。3回目ワクチンまで完了していればリスクはかなり減少しているはず。更に、40歳未満の基礎疾患のない方であれば2回接種でも許容できるかもしれないし、特に30歳未満は3回目を打つメリットすら低いのかもしれない。

・5-11歳:ワクチン接種による重い副作用のリスクが死亡率を上回っている。またこの年代における重症化リスクが明確ではないので、重い副作用のリスクと重症化リスクを比較することが難しい。更に、感染予防効果もBA.5株主流となり期待できない可能性が高い。

以上より12歳未満ではワクチンのメリットがデメリットを上回るといえるだけのエビデンスがなく、逆にデメリットが上回る可能性もある。

 

4)まとめ

・既に新型コロナウイルス感染症は、インフルエンザウイルス同様に一定のリスクを受け入れて共生していく段階に来ています。但し、今後のウイルス変異により強毒化、死亡率上昇の危険性があり、まだ感染予防策の緩和は危険だと考えます(感染症法に基づく全例報告制度や、発症者の隔離体制は維持したほうが良いと思います)

・どのような手段をとってもゼロリスクは不可能であり、症状のない人、既にBA.5に罹患したと思われる方は積極的な経済活動へ携わったほうが良いと思います。あとは政府の発信が重要と思われますが、世間的には「なにもしない政府」と認識されている印象があります。まあ、ゼロリスクは断念してほしいと明言できない事情もわからないでもないですが…

・現状でも小児を守る手段がないのが最大の問題点です。早くオミクロン株対応ワクチンが流通することを願います。

 

以上、現状で手に入るデータを基にした、私見ではありますが現状分析です。

皆様の新型コロナウイルス感染症に対する理解に少しでもお役に立てれば幸いです。